ラジオ波治療の適応は保存治療が奏功しない患者で頑固な慢性疼痛を訴える者が適応となります。併存する内科疾患や、リスクが高くて外科治療のできない人、手術を勧められたが、家庭の事情や長期間の休暇が困難な人にも適応があります。
冷却機能付きのラジオ波治療、すなわちCooled radiofrequency ablation(CRFA:Coolief 疼痛管理用高周波システム、アバノス・メディカル・ジャパン社)ではプローブ先端が長さ4mm, 径17G,温度60℃の場合には、80℃に加温される周辺組織の直径が約20mmの球状となることが示されている。
膝関節の知覚を支配する矢印の3つの神経(上内側膝神経、下内側膝神経、上外側膝神経)にラジオ波を照射し60度程度に神経を温めます。外来で日帰り治療で行えるメリットがあります。治療効果は1~2年続き、再び痛みが出現すれば、クーリーフによる再治療も可能です。
ラジオ波治療は疼痛を緩和するもので、膝関節の病態を改善するものではありません。膝関節症の進行、悪化を防ぐためには、運動量の管理と引き続きリハビリによる筋力訓練を要します。